片麻痺の回復過程を評価するブルンストローム・ステージ(Brunnstrom stage)

リハビリ風景2

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ブルンストローム・ステージの概要

日本のリハビリ分野で多く用いられるブルンストローム・ステージ。これはスウェーデンのシグネ・ブルンストロームさんが考案した評価法で、片麻痺の検査として臨床現場で幅広く使用されています。

脳卒中の運動麻痺の回復過程を順序により判断するために考案され、回復が進むにつれて共同運動から分離した動作へと移行し、徐々に正常な動作へ近づいていくという一連の回復過程を6段階で評価します。尺度は順序尺度が用いられ、6段階の麻痺の回復過程はローマ数字で表記されます。

それぞれの回復ステージ

Stage.Ⅰ=弛緩性麻痺(完全麻痺)
筋肉がダラッと緩んでしまっている状態で、自分ではまったく動かせず(随意的に動かすことはできない)、脳卒中発症早期に見られる。

Stage.Ⅱ=連合反応の出現
連合反応が誘発され、体の一部を強く働かせると、他の麻痺した部位まで筋収縮や運動が起こる。例として、「あくび」や「くしゃみ」をしたとたん、上肢では腕や指が曲がり、下肢では足がピンとまっすぐに伸びる。

Stage.Ⅲ=共同運動パターンの出現
共同運動では、個々の筋肉だけを動かそうとしても、付随するほかの筋肉までいっしょになって動いてしまう(一定の運動パターン以外の運動ができない)。共同運動には、屈筋共同運動(足や手が全体的に屈曲方向に曲がってしまう)と伸筋共同運動(足や手が全体的に伸びてしまう)2 種類の運動パターンがある。

Stage.Ⅳ=分離運動の出現
共同運動のように全体的に動いてしまうのに対して、それぞれの関節が少し分離して動くようになる。

Stage.Ⅴ=分離運動の進行
共同運動・痙性の出現が弱くなり、より多くの運動(分離運動)が可能になる。

Stage.Ⅵ=さらに分離が進み正常に近づく
共同運動・痙性の影響がほとんどなくなり、運動の協調性や速度も正常化し、個々の関節が自由となる。しかし、その動きは少しぎこちない.

以下、部位別のブルンストローム・ステージを記載します。

上肢(肩・肘)のブルンストローム回復ステージ

Stage.Ⅰ 随意運動なし(弛緩期)
Stage.Ⅱ 基本的共同運動またはその要素の最初の出現、痙縮の発現期
Stage.Ⅲ 基本的共同運動またはその要素を随意的におこしうる。痙縮は強くなり、最強となる
Stage.Ⅳ 痙縮は減少し始め、基本的共同運動から逸脱した運動が出現する。
①.手を腰の後ろに動かせる
②.上肢を前方水平位に上げられる
③.肘90°屈曲位で前腕の回内・回外ができる
Stage.Ⅴ 基本的共同運動から独立した運動がほとんど可能。痙縮はさらに減少する
①.上肢を横水平位まで上げられる(肘伸展,前腕回内位で)
②.上肢を屈曲して頭上まで上げられる(肘伸展位で)
③.肘伸展位での前腕の回内・回外ができる
Stage.Ⅵ 分離運動が自由に可能である。協調運動がほとんど正常にできる。痙縮はほとんど消失する

手指のブルンストローム回復ステージ

Stage.Ⅰ 弛緩性
Stage.Ⅱ 指屈曲が随意的にわずかに可能か、またはほとんど不可能な状態
Stage.Ⅲ 指の集団屈曲が可能、鉤型握りをするが離すことはできない。指伸展は随意的にはできないが、反射による伸展は可能なこともある
Stage.Ⅳ 横つまみが可能で、母指の動きにより離すことも可能。指伸展はなかば随意的にわずかに可能
Stage.Ⅴ 対向つまみができる。円筒にぎり、球にぎりなどが可能。指の集団伸展が可能(範囲はまちまちである)
Stage.Ⅵ すべてのつまみ方が可能になり、上手にできる。随意的な指伸展が全可動域にわたって可能。指の分離運動も可能である。しかし健側より多少拙劣

体幹と下肢のブルンストローム回復ステージ

Stage.Ⅰ 随意運動なし(弛緩期)
Stage.Ⅱ 下肢の随意運動がわずかに可能
Stage.Ⅲ 座位や立位で股・膝・足関節の屈曲が可能
Stage.Ⅳ 座位で足を床上に滑らせながら、膝屈曲90°以上可能
座位でかかとを床につけたまま、足関節の背屈が可能
Stage.Ⅴ 立位で股関節を伸展したまま、膝関節の屈曲が可能
立位で患側足部を少し前方に出し、膝関節を伸展したまま、足関節の背屈が可能
Stage.Ⅵ 立位で股関節の外転が、骨盤挙上による外転角度以上に可能。座位で内側・外側のハムストンリングスの交互収縮により、下腿の内旋・外旋が可能(足関節の内返し・外返しを伴う)

手順・やり方

ブルンストロームの検査肢位は、背臥位・座位・立位とあるため、転倒リスクに注意して実施します。できれば検査前に関節可動域を測定し、痛みなどを確認しておくことでスムーズに検査が行えます。

検査は「Stage.Ⅲ」から始めて、問題なければ「Stage.Ⅳ」へ。不可能であれば「Stage.Ⅱ」へ移行して評価を進めていきます。評価を進める際は、筋力に着目するのではなく、筋出力の質に着目して評価を行っていきましょう。

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