脳性麻痺児の粗大運動能力を評価するGMFCS!

母親と脳性麻痺の息子

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粗大運動能力分類システム(GMFCS)とは?

GMFCSの正式名称は「Gross Motor Function Classification System」といい、脳性麻痺の子供たちが自ら随意的に動作した行動を基に作成され、その中でも特に座位・移乗・移動を重視しています。

GMFCSは5段階に分類され、評価方法として「機能的な制限」「杖などの歩行補助具」「車椅子の移動器具」を念頭に置いて考えていきます。

評価する際の注意点

下記にGMFCSを評価する際の注意点を記載します。

①.あくまで現在の粗大運動能力で判定する。予後に関する見込みは考慮しない。
②.評価内容と完全一致しない場合は、最も評価内容が合っているレベルを選択する。
③.幼い年齢(特に1歳未満)にGMFCSを用いると判定が不正確になることがある。

簡易的な各レベルの評価内容

各レベルの具体的な説明は後述しますが、下記の表から脳性麻痺児のGMFCSを評価することが可能です。学校のテストや国家試験も下記の表を覚えておけば解けると思います。ちなみにレベルが低いほど、制限や歩行補助具なしに動作することができる点に注意しましょう。

レベルⅠ 制限なしに歩く
レベルⅡ 制限を伴って歩く。
レベルⅢ 歩行補助具を使用して歩く。
レベルⅣ 制限を伴って自力移動。電車の移動手段を用いてもよい。
レベルⅤ 自力移動が非常に制限される。手動車椅子によって搬送される。

具体的な各レベルの評価内容

実際の評価内容は少し説明が長いので、分かりやすいように内容を簡略化しています。

年齢別によるレベルⅠの詳細

生誕~2歳まで 他の姿勢から坐位になり(その逆もある)、両手を支持に使わずに床上で坐り、物を操作できる。手と膝をついて這い、つかまって立ち上がり、家具につかまって数歩ほど歩く。
2歳~4歳まで 両手を支持に使うことなしに床上に坐って物を操作する。床上で坐位および立位をとること、また坐位および立位から他の姿勢をとるのに大人の助けを必要とせず、歩行補助具は使わない。
4歳~6歳まで 手での支持なしに椅子に坐り、また椅子から立ち上がる。床上あるいは椅子上の坐位から物につかまらずに立ち上がることができる。
6歳~12歳まで 自宅や屋外(近隣)を歩く。何も使用せずに、階段を昇り降り、歩道の縁石を昇り降りすることもできる。走行や跳躍などの粗大運動スキルを遂行するが、速度・バランス・運動協調性は制限されている。

年齢別によるレベルⅡの詳細

生誕~2歳まで 床上で坐位を保持するが、バランスを維持するために手を必要とすることがある。腹部をつけて肘這い、四つ這いがみられる。つかまって立ち上がったり、家具につかまって数歩ほど歩いたりする場合がある。
2歳~4歳まで 床上に坐るが、両手を使用するとバランス保持の困難さがある。坐位動作および坐位から他の姿勢になる動作は大人の助けなしに行う。歩行する際は、四つ這い、家具の伝い歩き、歩行補助具の使用などが用いられる。
4歳~6歳まで 椅子に坐って、両手を自由に使って物を操作する。床や椅子から立ち上がって立位をとる。移動器具なしに屋内を歩き、屋外の平らな地面であれば5歩く。手すりを使用して階段を登るが、走行・跳躍はできない。
6歳~12歳まで ほとんどの生活環境で歩く。長い距離、平坦ではない道、傾斜のある地形や狭い場所、物を持ち運ぶ時にバランスの困難さがみられる。階段の昇り降りは、手すりを使用するか、身体的介助を受けて行う。移動手段は、身体的介助、移動器具の使用、車輪付きの器具を使用することがある。

年齢別によるレベルⅢの詳細

生誕~2歳まで 腰を支えると床上での坐位は保っている。寝返りし腹部をつけて前方へ肘這いする。
2歳~4歳まで しばしば「割り坐」で床上で坐位を保持し、大人の助けを必要とする場合がある。移動手段として、腹部をつけての肘這い、あまり下肢の交互運動がみられない四つ這いを用いる。短い距離をつたい歩きすることがある。
4歳~6歳まで 普通の椅子に坐るが、手の機能を最大限に発揮するためには骨盤または体幹の支持が必要なことがある。平らな場所では移動器具を使って歩き、大人から補助してもらって階段を登る。長い距離の移動や、屋外の平坦でない場所では移送してもらうことが頻繁にある。
6歳~12歳まで 屋内のほとんどの生活環境で、移動器具を使って歩く。腰掛けさせられた時、骨盤のアライメントとバランスのためにシートベルトを必要とすることがある。床や椅子から立ち上がる動作では、身体的介助や支持面を必要とする。長い距離を移動する時は、車輪のついた移動手段を用いる。

年齢別によるレベルⅣの詳細

生誕~2歳まで 頭部をコントロールできるが、床上で坐るために体幹を支持する必要がある。寝返って背臥位になり、また寝返って腹臥位になる場合もある。
2歳~4歳まで 手を支持に使わなければアライメントとバランスを保持できない。坐位保持や立位保持のために適合機器を頻繁に必要とする。室内の自力による移動は寝返り、腹部をつけた肘這い、手と膝をつくが下肢を交互に動かさない四つ這いによって行う。
4歳~6歳まで 椅子に坐るが、体幹のコントロールと手の機能を最大限に引き出すために体に合わせて作った椅子を必要とする。高い能力の子供は歩行器を使い、大人に付き添ってもらって短距離を歩くが、方向転換や平坦でない場所でバランスを保つのは困難である。近隣を移動する場合は移送される。
6歳~12歳まで ほとんどの生活環境で、身体的介助または電動の移動手段などの移動方法を用いる。家の移動は、床上移動(寝返り、肘這い、四つ這い)をするか、身体的介助や電動の移動手段を用いることもある。屋外や近隣では、手動車椅子で移送されるか、電動の移動手段を用いる。

年齢別によるレベルⅤの詳細

生誕~2歳まで 身体的な障害が運動の随意的な制御を制限している。腹臥位および坐位で、頭部と体幹の抗重力的な肢位を保持することができない。
2歳~4歳まで 身体的な障害が随意的な運動の制御と、頭部と体幹の抗重力的な肢位を保持する能力を制限している。全ての領域にわたる運動能力が制限されている。子供は独立した実用的移動能力を持つことはなく移送される。
4歳~6歳まで 身体的な障害が随意的な運動の制御と、頭部と体幹の抗重力的な肢位を保持する能力を制限している。全ての領域にわたる運動能力が制限されている。子供は独立した実用的移動能力を持つことはなく移送される。
6歳~12歳まで 総ての生活環境において、手動車椅子で移送される。重力に抗して頭と体幹の姿勢保持や上下肢の運動をコントロールする彼らの能力に制限がある。補完的な技術が、アライメント・シーティング・立位・移動を改善するために使用されるが、制限を完全に代償することはできない。

参考サイト:GMFCS – E & R 粗大運動能力分類システム

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