起立性低血圧の原因と症状を理解して、対処法をマスターする

起立性低血圧の影響で立ちくらみが起きた女性

ベッドや椅子から急に立ち上がったり、朝礼や卒業式などで長時間立ち続けたりしていると、クラッと意識が遠のいて倒れてしまうことがあります。恐らく、一度はそういった経験がある方や、そのような出来事に遭遇したことがある方は多いと思います。

この現象を医学的に起立性低血圧と呼びますが、この時に身体の中で一体どのようなメカニズムが働いているのかを解説していきたいと思います。

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起立性低血圧の診断基準

仰臥位または坐位から立位への体位変換に伴い、起立後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下する、または収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下する、あるいは拡張期血圧の10mmHg以上の低下が認められた際に起立性低血圧と診断されます。また、起立性低血圧の診断には5分間の能動的立位が推奨されていますが、約3分間の起立のみでも起立性低血圧の約90%が診断可能です。

つまり、ベッドに横になった状態や椅子に座った状態から立ち上がった際に、収縮期血圧や拡張期血圧が一定以上下がった場合に起立性低血圧と診断できるということです。

起立性低血圧の原因とメカニズム

起立性低血圧の原因は上記に記載したように「横になった状態や椅子に座った状態から立ち上がることで生じる可能性がある」と認識してもらえたのではないかと思います。そこで、続いては起立性低血圧を起こす際に身体の中で一体どのようなことが起きているのかといったメカニズムを下記に解説していきたいと思います。

一般的に仰臥位から立位に体位変換すると、約500~800mL程度の血液が胸腔内から下半身の静脈へ移動していきます。これは重力によって血液が下方に移動するためです。この時、静脈は動脈ほど強く流れていないので、下半身の静脈に貯留した血液は心臓に戻ることができません。その結果、心臓に戻る血液が減ってしまい、さらには心臓が送り出す血液も減ってしまうことで脳の血流も減少してしまい、起立性低血圧が起きてしまいます。

基本的に人間の身体は、横になった状態や座った状態から立ち上がる際には交感神経が急激に緊張状態になります。そうすることで、立ち上がった際に下半身の静脈を中心に血管を一気に収縮させ、重力に逆らって血液を心臓に戻すことができますが、起立性低血圧が起きやすい人は、このメカニズムが上手く働きません。

※ 長時間立ち続けても動くことで、筋ポンプ作用によって血液が循環するため起立性低血圧は起きません。

起立性低血圧の症状

一般的な起立性低血圧の症状として、意識が遠のいてしまったり、頭がクラクラするといった立ちくらみのような症状や、その他にも目眩(めまい)・失神などの症状が挙げられます。ただし、これらの症状は一過性であるため、きちんと対処することで症状は落ち着きますが、症状が表出した際に転倒などの二次的障害が気をつけなければいけません。

起立性低血圧の対応方法・対処方法

ゆっくり立ち上がる

起立性低血圧は急激に立ち上がることで起きるため、立ち上がる際はゆっくり時間を掛けて立ち上がりましょう。

運動をする

毎日ウォーキングなどに取り組んで筋力をつけることで、下半身の静脈に貯留した血液を心臓に戻すための筋ポンプ作用が強くなります。

適切な水分量や塩分量を摂取する

水分は1日に2~3Lほど摂取し、塩分は1日に10g程度ほどを目安に摂取しましょう。ただし高血圧症の場合は摂取量が異なるため、注意が必要です。

誘因となる服薬の中止

医師と相談した上で降圧剤や利尿薬などを中止しましょう。

弾性ストッキングの着用

弾性ストッキングには圧力を加える効果がありますので、脚を圧迫して血管を収縮させ、血液を心臓に戻してくれます。

起立性低血圧の予後

基本的に起立性低血圧自体が危険であることは稀ですが、年齢を重ねていくことで低血圧に伴う虚血性臓器障害が出現しやすくなり、起立性低血圧症例では死亡率が増加したり、脳卒中発症率の増加や虚血性心疾患発症率の増加が報告されています。

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