原因疾患によって異なる協調運動障害の症状

陸上競技

スポンサーリンク
レグタングル(大)

協調運動とは?

運動に関わる筋群の適切な組み合わせ、適切な強さ、適切な時間に活動することにより、円滑で効率的な運動が遂行されているときに協調性が保たれていると表現できる。

その運動の協調性が低下した状態を協調運動障害という。

広義と狭義の協調運動障害

運動の協調性を幅広く捉えてみると、運動神経系・感覚神経系・筋および骨関節系などの運動発現に必要な身体要素すべてが協調性に関連する。反対に狭い意味での協調性は、小脳を中心とする運動の調節系の機能を指すことが多い。

以上のことから簡単に整理してみると…

『広義の協調運動障害』
運動発現に関わる数々の要素の機能不全により運動の協調性が低下した状態。
『狭義の協調運動障害』
小脳および、その入出力系の機能不全である運動失調と同じ意味で使われる。

協調運動の流れ・システム

協調運動障害は、運動発現に関わるどの要素が原因であるかによって分類することができる。

ちなみに運動発現の順序は下記の通り。(内容や要素を含む)

順 番 内 容 要 素
運動の欲求・動機形成 大脳辺縁系
運動方略の形成 大脳連合野系
運動プログラムの形成 運動領野・大脳基底核・小脳系
運動の実行 脊髄・末梢神経・筋系

我々の身体は、実行された運動結果の情報が感覚系を通してフィードバックされ、そして運動が修正されるという循環システムを築いている。この循環システムを構成する要素が機能不全に陥ると、運動発現に不調和が生じて協調運動障害が生じる。

疾患別による協調運動障害

原因疾患により、その後に生じる協調運動障害の症状が異なる。

中枢性運動麻痺の場合

『主な原因』
脳卒中による片麻痺、頸髄損傷による四肢不全麻痺など。

『内容』
上位運動ニューロン障害による筋出力の低下にはじまり、分離運動の困難、筋緊張の亢進などが生じ、目的とする運動が拙劣になる状態を指す。

末梢性運動麻痺・筋力低下の場合

『主な原因』
末梢神経や筋の機能不全により筋力が低下した状態。

『内容』
ひとつひとつの筋の筋力低下であったり、主動作筋と拮抗筋の筋力のアンバランスが問題になることが多い。

小脳系の機能低下の場合

『主な原因』
小脳自体または小脳の入出力系に異常が生じた場合。

『内容』
運動のコントロールの要を担う小脳自体および、その直接の入出力系の機能不全によるもので、協調運動障害の根幹をなす。

大脳基底核の機能低下の場合

『主な原因』
パーキンソン病、舞踏病、ジストニアなど。

『内容』
筋緊張の異常、不随意運動の出現、運動の開始や遂行の異常が生じ、運動の協調性が阻害される。

感覚系の機能低下の場合

『主な原因』
感覚系に異常が生じた場合。

『内容』
外界の状況や運動結果の情報が正しく中枢神経にフィードバックされないため、適切な運動の修正が行えない状態である。

骨または関節系の機能低下の場合

『主な原因』
例えば靭帯損傷による関節の緩み、変形性関節症による関節の痛みなど。

『内容』
筋の収縮による張力が適切に骨格系に伝達できずに運動の協調性が低下する状態である。

スポンサーリンク
レグタングル(大)
レグタングル(大)

この記事をシェアする