ヤーロムの「集団療法」が効果を与える11の治療因子

仲の良いグループ


人が集まれば集団となり、その中で互いに協力しながら助け合ったり、時に喜びなどの感情を共有することがある。スポーツなどを通じて、そういった体験をしたことがある方も沢山いるだろう。

精神療法の治療には対個人だけではなく、集団を用いることが多々ある。今回は、アメリカの精神科医であるヤーロムが経験に基づいて発見した、集団療法の効果をいくつか紹介する。

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集団療法(グループ療法)の治療因子

ヤーロムが発見した集団療法(グループ療法)の治療効果

希望をもたらす

「この集まり(集団)に来るとホッとする」「なんだかもう一度やっていけそうな気がする」など、今後に向けて希望が持てるような場を提供する。集団内のメンバーが回復や成長していく姿を目の当たりにすることで、それを自分自身に置き換えて将来の希望に繋がっていく。

普遍的体験

色々な人間と接することで「自分だけではない」という安心感に繋がっていく。例えば、受験を控えた学生が模試の結果が悪くて落ち込んでいたとしても、友達が「えっ、お前も!?俺も結果が悪かったんだ」と言ってくれるだけで、どことなく安心するというような体験を指す。

受容される体験

素の自分が他人に受け入れられるという体験を通じて、心が安らぎ、癒され、また自分自身を受け入れていく。もし自分に自信を持つことができず、自己嫌悪に陥ったり、自分自身を嫌いだったとしても、人に受け入れられることで少しずつ変わっていくことができる。

愛他的体験

誰かの役に立ち、誰かに喜ばれることで、「自分は必要な人間なんだ」と自尊心の回復に繋がっていく。

情報の伝達

生活を営む方法や、病気のことなど、多くの人から役に立つ情報を得ることで、将来の生活に向けた引き出しが増えていく。

現実検討(自己確認,自己評価など)

集団内のメンバーを客観的にみていく中で、自分の置かれている現状(自己確認・自己評価)に繋がっていく。

模倣・学習・修正(生活技能,対人関係など)

「そういった方法もあるのか」「こんな方法でもいいんだ」など、人との距離感や生活技能などを人と共に生活する中で学んでいく。時に、参考にするだけではなく、模倣して行動の獲得に繋げる。

表現・カタルシス

強く深い感情を誰かに受け入れられることで、心の調和に繋がる。例えば、「ずっと苦しかった」という悩みや体験を分かってくれる人がいることで、その悩みや体験が少しずつ薄らいでいくことを指す。

相互作用・凝集性

集団が成長してくると、心にゆとりが生まれ、お互いを自然に助け合うなど、集団を通して疑似的な社会生活の経験に繋げていく。

共有体験

誰かと一緒に物事に取り組むことで、自信が生まれたり、言葉を超えたコミュニケーション機能が働き、親密感が生まれる。

実存的体験

出会いや別れ、病気、苦しみなど、自分たちの力だけでは避けて通ることができない現実を体験することで、次第にあるがままを現実的に受け入れていくことができる。

最後に集団療法を再確認しよう

人の集まりが生み出す治療効果は、ポジティブな要素を多く含むが、反対にネガティブな要素も多く含んでいる。

そのポジティブな面とネガティブな面の両方を、集団で乗り越えていくプロセスが「集団療法」といえる。

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