COPMとは?
世界各国で翻訳されており、30ヶ国以上で使用されている作業療法の評価法です。
クライエントにとって意味のある作業を探し、作業療法を行った後で、その作業に対するクライエントの思いに変化があったのかどうかを測定するために開発されました。
COPMの開発背景
1980年にカナダ作業療法士協会が「作業療法の質の保証」を考え始めたことがキッカケで、COPM(カナダ作業遂行測定)が誕生しました。
では、なぜ「作業療法の質の保証」を考えなければならないのでしょうか?
それは作業療法という治療が、第三者から見て「どのような意味や効果があるのか分かりにくい」ということが挙げられます。手芸や料理をしたり、服を着たりなど、その光景を見ただけでは第三者からすると治療を行っているようには到底思えません。
作業療法士という専門職の専門性は見えにくいのです。
ただ手芸や料理の練習をする方にとって、手芸や料理をすることが重要なのです。作業療法士はクライエントにとって意味のある作業について関わっており、それが作業療法の専門性だとカナダ作業療法士協会は辿りつきました。
クライエント中心の実践
実際に作業をする際は「クライエント中心の実践」を心掛ける必要があります。
この「クライエント中心の実践」は「来談者中心療法」ともいわれ、国家試験にも出題されるため、名前をご存知の方も多いかもしれません。
最初に使用したのは精神科医のロジャースであり、そのロジャースによると「クライエントにとって大事なことを、最もよく知っているのはクライエントである」ということです。
また、COPMの開発リーダーがクライエント中心の実践の7つの特徴を以下のようにまとめています。
1.クライエントや家族の選択を尊重する。
2.最終的決定・責任はクライエントや家族にある。
3.コミュニケーションを大事にする。
4.作業療法へのクライエントの参加を促進する。
5.柔軟で個別的な作業療法を行う。
6.クライエントが問題解決できるようにする。
7.人-環境-作業の関係に焦点を当てる。
注意すべき点は、一つ目の「クライエントの選択を尊重する」ですが、これはクライエントの言いなりになるということではありません。信頼関係を大事にしながら、クライエントの思いなどを汲み取って作業療法を進めていくということです。
最後に
クライエントにとって意味のある作業を決める時に、診断名や障害の種類はあまり関係がありません。
何が出来ないことが辛いのか、何が行えると幸せを感じることが出来るのか、クライエントに寄り添って一緒に探していきましょう。