聴覚保続の定義
聴覚保続は英語で Palinacusis auditory perseveration と呼ばれている。
外界の音が消失した後も持続したり、繰り返して聞こえる錯聴であり、高次脳機能障害の中でも稀な症状である。注意すべき点は幻聴とは異なるという点である。
聴覚保続の症状
周囲の話し声が要因になることが多いが、環境音や音楽が繰り返すこともある。
保続は実施の音に引き続いて起こる場合と、時間を置いてから起こる場合がある。後者の場合は統合失調症などの精神疾患における幻聴との鑑別が重要になる。
聴覚保続は幻聴とは異なって指示的な内容がなく、聞いた言葉や音の一部であることが多い。多くは発作性により生じ、持続は数秒から数時間に渡ることがある。
病巣や発現機序
側頭葉の病巣が原因になったり、側頭葉が焦点となるてんかんで生じることが多い。
対応方法・治療方法
側頭葉を中心とする病巣の検索を画像診断によって行う。
聴覚保続発作と脳波異常の関連を示すことが難しいことも少なくないが、発作性の場合に限り、抗てんかん薬を投与すると症状が改善することがある。