RASSとは?
鎮静剤を使用した患者の鎮静状態を10段階で評価するためのスケールです。
RASSのほかにも鎮静スケールはいくつかありますが、RASSは日本呼吸療法医学会が作成した「人工呼吸中の鎮静のためのガイドライン」で推奨されている鎮静スケールです。
RASSの使い方・評価方法
【手順①:スコア0~+4の判定】
・患者を30秒間ほど視診のみで観察してスコア0~+4を判定します。
【手順②:スコア-1~-3の判定】
・大声で名前を呼ぶか、開眼するように指示します。
・10秒以上アイコンタクトができなければ繰り返します。
・呼びかけ刺激に対する反応のみでスコア-1~-3を判定します。
【手順③:スコア-4または-5の判定】
・動きが見られなければ、肩を揺するか胸骨を摩擦します。
・身体刺激に対する反応によりスコア-4または-5を判定します。
RASSスコア表(RASS SCORE)
スコア | 用語 | 説明 | |
+4 | 好戦的な | 明らかに好戦的な、暴力的な、スタッフに対する差し迫った危険 | |
+3 | 非常に興奮した | チューブ類またはカテーテル類を自己抜去、攻撃的な | |
+2 | 興奮した | 頻繁な非意図的な運動、人工呼吸器ファイティング | |
+1 | 落ち着きのない | 不安で絶えずそわそわしている、しかし動きは攻撃的でも活発でもない | |
0 | 意識清明な | 落ち着いている | |
-1 | 傾眠状態 | 完全に清明ではないが、呼びかけに10秒以上の開眼およびアイコンタクトで応答する | 呼びかけ刺激 |
-2 | 軽い鎮静状態 | 呼びかけに10秒未満のアイコンタクトで応答 | 呼びかけ刺激 |
-3 | 中等度状態 | 状態呼びかけに動きまたは開眼で応答するがアイコンタクトなし | 呼びかけ刺激 |
-4 | 深い鎮静状態 | 呼びかけに無反応だが、身体刺激で動きまたは開眼 | 身体刺激 |
-5 | 昏睡 | 呼びかけにも身体刺激にも無反応 | 身体刺激 |