手根管を通る「筋肉・腱・神経」を確認する

手根骨と屈筋支帯で形成する手根管

手根管の概要

手関節掌側部で「手根骨」「屈筋支帯」で形成されるトンネルが手根管である。

屈筋支帯は横手根靭帯とも呼ばれ、橈側では舟状骨結節から大菱形骨掌側面に付着し、尺側では豆状骨から有鉤骨鉤に付着している。屈筋支帯は長掌筋や手根屈筋の主要な付着部位であるため、これも覚えておくと良い。
 

手根管を通るもの一覧

手根管内には筋肉は通っておらず、「腱」と「神経」のみが通っている。

●神経
・正中神経

●腱
・浅指屈筋腱(示指~小指の4本の腱が通っている)
・深指屈筋腱(示指~小指の4本の腱が通っている)
・長母指屈筋腱
・橈側手根屈筋腱
 

手根管の豆知識

手根管(トンネル)は大管と小管に分かれており、大管は正中神経・浅指屈筋腱・深指屈筋腱・橈側手根屈筋腱が通っており、小管は橈側手根屈筋のみが通っている。それぞれの腱は滑液性の腱鞘に包まれているため、動きがとても滑らかである。

また正中神経は最も掌側かつ屈筋支帯の直下に位置するため、骨折による浮腫や血腫の影響で手根管内圧が上昇し、正中神経が圧迫されることがある。
 

語呂合わせで覚える

個人的に文章のような長い語呂で覚えるのは苦手なので、短くまとめています。

「正に新鮮な登頂」(まさにしんせんなとうちょう)
正→正中神経
新→深指屈筋腱
鮮→浅指屈筋腱
登→橈側手根屈筋腱
頂→長母指屈筋腱